それぞれの病気の診断や治療は長い期間をかけて進歩・発展してきたもので、より効果的で安全な治療を患者さんにお届けするためには、これからも医療の進歩・発展が大切です。そのためには多くの研究が必要ですが、その中で健康な人や患者さんを対象に実施するものがあります。これを「臨床研究」と言います。
また、臨床研究の中で、新しい治療や予防などを試みて、医薬品の効き目や副作用について調べることを「臨床試験」と言い、特に医薬品や医療機器について、厚生労働省から製造販売の承認を受けるために実施する臨床試験を「治験」と言います。
「くすり」の候補から新しい薬が完成して、患者さんの手に届くまでには10年以上の期間が必要です。中でも、治験に必要な期間が長く、3〜7年かかります。
基礎研究 2〜3年
「くすり」の候補を見つけます。
非臨床試験 3〜5年
動物試験などによって、
「くすり」の候補の有効性と
安全性を調べます。治験 3〜7年
第Ⅰ相
少数の健康なヒトにご協力いただいて、
安全性や体内での「くすり」の働きを調べます。第Ⅱ相(前期)
少数の患者さんにご協力いただいて、
安全性と有効性を調べます。第Ⅱ相(後期)
多くの患者さんにご協力いただいて、
安全性や「くすり」の用法・用量を調べます。第Ⅲ相
多くの患者さんにご協力いただいて、
今までのものと比べて、安全で効果のある
「くすり」かどうかを調べます。
国(厚生労働省)の許可 2〜3年
治験や非臨床試験の結果を審査して、
「くすり」として価値のあるものが
認可されます。新しい「くすり」の誕生
厚生労働省から
製造販売の承認を受けます。